2023.07.28
2011年当時から、ハタチ基金を継続して支援してくださっている株式会社 一ノ蔵様。
「特別純米生原酒3.11未来へつなぐバトン」という銘柄のお酒を毎年販売し、その売上全額をハタチ基金に寄付してくださっています。
2018年5月、今年度の寄付のお礼、そしてハタチ基金とその支援団体の活動報告のために、ハタチ基金代表理事の今村と、ハタチ基金の支援先事業である認定NPO法人カタリバ コラボ・スクール女川向学館の多田と双葉みらいラボの本田が、一ノ蔵社長の鈴木整様をご訪問しました。
今村:今年度も「特別純米生原酒3.11未来へつなぐバトン」の売上全額をハタチ基金にご支援いただき、本当にありがとうございます。
ハタチ基金では、震災を経験した子どもたちが笑顔で20歳を迎えられるように、20年間継続して支援を続けるということを目指して活動をしてきました。
被災3県の中のひとつである宮城県にある一ノ蔵さんが、こうしてハタチ基金を、立ち上げ当時からずっと継続して応援してくださっているということが、被災地の子どもたちの助けになっていることはもちろん、運営している私たちにとってはとても大きな励みになっています。
鈴木様:ありがとうございます。私たち一ノ蔵のお酒も、震災以後、日本中の日本酒ファンの方々に、応援してもらってきたんです。その応援を、「未来へつなぐバトン」という商品名にもあるとおり、私たちがお預かりして、それを被災地の子どもたちへ渡す。そのつなぎ手を、ハタチ基金さんにしていただきたいと思っています。
全国の日本酒ファンの方々のバトンをお届けできるように、というのがモットーなんです。あのとき私たち一ノ蔵も応援いただいたことを忘れない、そしてそれを20年間続けていくということで、毎年決意を新たにしています。
今村:本当にありがとうございます。ご支援のおかげで、まだ課題は多くありますが、被災地の子どもたちの環境も少しずつ良くなってきました。
鈴木様:そうですね。震災当時小学生だった子どもたちが、もう大学生。時間はどんどん進んでいますね。
建物や土地の復興は進んでいる中ですけど、やっぱり子どもたちや人の心といった、未来を作るという本質もとても大切ですよね。ハタチ基金の支援をもとに運営されている女川町のコラボ・スクールのお話を、ご報告でいつも聞かせていただいていて、そう感じます。
多田:女川町では、昨年度ぐらいから、仮設住宅から普通の住宅に移り住む人が増えています。そういう子たちに「何が一番嬉しい?」と聞くと、「今まではお風呂で足を伸ばすことができなかったけど、足を伸ばせるのが嬉しい」なんて言ってくれたりします。
それから「お母さんが嬉しそうに台所に立って、鼻歌歌ってたりするのが嬉しい」なんて、中学3年生くらいの男の子がぼそっと言ったりします。子どもって、お母さん・お父さんのことを想像以上に気にかけてるんだなってことをすごく感じますね。
建物が整ってきて、復興してるように見えるところはあるんですけど、実際には、ようやく日常を取り戻しつつある状況なのかなっていうのはすごく感じます。
7年前小学生で、今年高校を卒業して社会人になった子がいるんですけど、女川を離れて、茨城のほうに就職することになったんですね。その子が言ってくれたんです。「自分に力がついたら、必ず女川に戻ってくる。そのときに向学館(※)が残っていたら嬉しい」って。「自分にとっては、震災で家が流されてしまって、学校と仮設の家しかなくて、向学館が第二の家でした」って、女川を旅立つときに私に言ってくれたんです。
※女川向学館:女川町で認定NPO法人カタリバが運営する、放課後学校コラボ・スクール。現地の子どもたちに、学習の場と居場所を提供している。
鈴木様:僕は今年49歳で、もうすぐ50なんですけど、振り返ると40代より30代はもうちょっと長かったような気がします。20代はもっと長かったし、10代はもっとずっと。若い頃の1年って、今の年の10年分ぐらいの、それぐらいの時間の感覚があるような気がするんです。
10代の1年間を、向学館で過ごして育ってくれたということはとても大きいと思いますし、向学館で過ごした人材が巣立っていき、そして女川に戻ってきて町のために尽くしてくれる、そんな素敵な姿が本当に目に浮かびますね。大きな被害を受けた女川ですが、未来は明るいといつも感じています。
今村:一ノ蔵さんは2011年当初からずっと継続してハタチ基金をご支援くださっていますよね。それだけ長く継続してご支援いただいているのはどういった想いからなのですか?
鈴木様:まずハタチ基金という、震災時に被災した子どもたちが笑顔で二十歳になれるようにという考え方に共感しています。一ノ蔵がたくさんの方々からいただく「がんばれ」と応援してくださる思いをバトンとして受け止めて、20年間続けていきたいと思っています。またハタチ基金の支援先の事業も、被災地のために意義のある活動をずっとしてきていらっしゃいます。ですから、寄付を継続しない理由がないな、と思っています。
今村:ありがとうございます。ハタチ基金と、その助成先である子どもを支援する事業を行っている団体に期待していることはどんなことですか?
鈴木様:被災地の子どもたちの未来を繋いでいただきたいですね。子どもたちは街の未来を担っていく存在です。そんな子どもたちの内面、言ってみれば、コンクリートではなく人の心の復興を支えていただいているというところに、期待をしています。
震災から時間も経ち、被災地にもさまざまな変化がおとずれていますよね。皆さんの活動にもきっと、変化によってさまざまな新しい壁が出てくると思います。ぜひそれを乗り越えていただいて、長く子どもたちを支えていってほしいです。
今村:ありがとうございます。これからもどうぞ、よろしくお願いいたします。
鈴木様、一ノ蔵の皆様、毎年のご支援本当にありがとうございます。
「特別純米生原酒3.11未来へつなぐバトン」を店頭で見かけましたら、ぜひご購入を通してハタチ基金をご支援いただければ幸いです。
■ハタチ基金ご支援の方法について
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